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【養生】旬の食材を食べよう~季節ごとの選び方~

旬の食材とは

「旬」とは自然の中で育った季節ごとの野菜や果物、魚が多くとれる時期を指します。

旬の食材とはその季節ごとに収穫できる食べ物のことですが、今はスーパーマーケットに行けば一年中様々な食材が手に入ります。そのため、何が旬の食べ物なのかが分かりにくい事も多々あります。

そこで今回は旬の食材についてのご紹介です。

まずは、旬の食材をおすすめる理由からお話していきます。

旬の食材をおすすめする理由

旬の食材は季節にあった体作りのお手伝いをしてくれます。例えば、夏なら体を冷やしてくれますし、冬なら体を温めてくれるという様に、季節ごとに起こりやすい体調不良を整えてくれる効果が期待でき、我々の体作りに大いに役立ちます。

また、旬の食材は一番の食べ頃なので美味しく召し上がれることは勿論ですが、時期外れの食材に比べると栄養分も最も高い状態にあります。

同じ量の食材を食べるなら、栄養分が高い状態で食べたほうが体に良いことも分かりますよね。

それでは、具体的に季節ごとの食材をご紹介していきます。

春の食材(3月~5月)

春は新しい環境になることが多く、その影響でストレスを受けやすいため体調不良を起こすことがあります。また、冬は新陳代謝が衰えるため、冬の間に溜まってしまった老廃物が体調不良の原因となることもあります。

春の食材で新陳代謝を促進させ、体内の老廃物を排出し、心も体もリラックスして、環境変化の大きい季節を乗り切りましょう。

◎春の野菜

キャベツ なのはな さやえんどう あしたば
ふき かぶ ごぼう じゃがいも
しゅんぎく たまねぎ たけのこ …etc

 

◎他にもある春の食材

かれい きびなご さより かつお
たこ わかめ ひじき しいたけ
あまなつ いちご キウイ …etc

 

⇒気を巡らせて気持ちを鎮める山菜類、熱を鎮める貝類、解毒作用を高める海藻類がおすすめ

 

夏の食材(6月~8月)

夏は気温が上昇するため、暑さや疲れなどから食欲も低下し体調不良を起こすことがあります。また、水分不足や体の熱が発散されないことなどによる熱中症の危険性もあります。

夏の食材は体に溜まった余分な熱を取り除き、水分を多く含んだ食材が豊富なので積極的に摂りましょう。

◎夏の野菜

オクラ えだまめ きゅうり かぼちゃ
なす アスパラガス しそ とまと
とうもろこし ピーマン レタス …etc

 

◎他にもある夏の食材

あじ うなぎ かじきまぐろ かわはぎ
きす しじみ メロン うめ
さくらんぼ ぶどう もも …etc

 

⇒熱を冷まし水分代謝を高めるなすやきゅうり、消化を高めるしそやしょうがなどの薬味がおすすめ

 

秋の食材(9月~11月)

秋になると気温が徐々に下がっていき、空気も乾燥してきます。夏の疲れが残っていたり、気温の変化から体調を崩したりする方もいるかと思います。

秋は冬に向けた体作りの時期でもあるので、栄養バランスの良い食事を摂って寒さに負けない体作りをしましょう。

◎秋の野菜

にんじん みずな みょうが チンゲンサイ
つるむさらき はくさい かぶ とうがん
カリフラワー かぼちゃ じゃがいも …etc

 

◎他にもある秋の食材

さんま いわし さけ さば
さつまいも しいたけ しめじ まいたけ
ぎんなん くり なし …etc

 

⇒体に潤いを与える秋の果物や貝類、気を補う根菜類などがおすすめ

 

冬の食材(12月~2月)

冬は気温がぐっと下がり、寒さと乾燥で体調を崩しやすくなります。体が冷えると免疫力が低下するため、風邪やインフルエンザなどに感染しやすくなります。

冬の食材は体の内側から温めるため、根菜類などを中心に冬の食材をたっぷり摂りましょう。

◎冬の野菜

ごぼう だいこん れんこん ねぎ
はくさい ほうれんそう しゅんぎく ゆりね
こまつな キャベツ かぶ …etc

 

◎他にもある冬の食材

たら はまち きんめだい ほっけ
さわら はまぐり かき さといも
やまいも りんご みかん …etc

 

⇒気を補うもち米や芋類、血行を促進させるねぎやしょうがなどがおすすめ

 

調味料もしっかり選ぼう

旬の食材を調理する際には使用する調味料にも注意が必要です。市販されている塩や醤油、味噌、油、酢などの多くは化学的に合成されたものが多く、防腐剤や殺菌剤など体にとって有害になる可能性がある物質が多く含まれています。

一方、自然に作られた調味料は体にとって有害な物質が含まれていないため健康にとっては良い調味料と言えます。価格は高めになりますが、出来るだけ天然醸造の調味料を選びましょう。

≪塩≫

市販されている多くの塩は99%以上塩化ナトリウムという化学精製塩(化学塩)です。化学塩は体に必要なミネラルが含まれていないため、ミネラルが豊富な天然の塩を選びましょう。

≪醤油≫

脱脂加工大豆が使用されている醤油は化学合成されたものなので、安価ではありますが体にとっては良くありません。丸大豆を使用した天然醸造の醤油を選びましょう。

≪味噌≫

遺伝子組み換えの大豆や輸入大豆、脱脂大豆が使用されているものは防腐剤や漂白剤などが含まれているため、遺伝子組み換えの心配がない国内産大豆を使用したもので1年以上熟成させた本醸造を選びましょう。

≪食用油≫

サラダ油や天ぷら油には薬品抽出や化学処理が施されているため、自然に近い形で作られたごま油や菜種油を選びましょう。価格は高めですが、劣化も少なく体にも良いものになります。

≪酢≫

酢酸を水で薄め、化学調味料や甘味料が添加された合成酢は避け、米が原料の玄米黒酢や米酢を選びましょう。みりんに関しても、合成品ではなく本みりんを選びましょう。

 

⇒調味料を見直すことは旬の食材選びと同じくらい大切

 

まとめ

季節に限らず共通することは、体を冷やし過ぎないことです。体を冷やすと胃腸の働きが低下し、食欲の低下や免疫力の低下により体調不良の原因となります。冷たい飲み物や生ものは体を冷やしやすいので、摂取は出来るだけ控えめにし、体を温めるよう心掛けることが大切です。

今回は食事の材料となる食材と調味料についての内容をまとめました。我々の体を構成している食事を見直すことで、薬に頼らない体作りを目指しましょう。それでも体調が良くならないような場合は漢方薬を試してみるのも選択肢のひとつです。

 


【参考文献】
阪口珠未(2013)『毎日使える薬膳&漢方の食材辞典』ナツメ社.
薬日本堂監修(2010)『毎日役立つ からだにやさしい 薬膳・漢方の食材帳』薬日本堂.
大森一慧(2008)『からだの自然治癒力をひきだす食事と手当て 新訂版』サンマーク出版.
辻野将之(2015)『からだと心を整える「食養生」-食より大切な思と実践』技術評論社.
大塚敬節(1979)『金匱要略講和』創元社.