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【養生】夏バテの原因と症状、対策のまとめ<めまい・吐き気・頭痛など>

はじめに

夏は高温多湿で体調を崩しやすい季節でもあります。何となく体がだるい、しっかり睡眠を取っているのに疲れが取れない、食欲が無いなどの症状がある方は夏バテになっている可能性があります。

今回は夏バテの原因や対策について書いていきたいと思います。

 

夏バテの原因

外気温が高く、室内は冷房がきいて涼しいといった環境に置かれると自律神経のバランスが乱れ、夏バテの症状を引き起こします。また、高温多湿となることで普段より汗をかくことが多く、体温の調節がうまく働かなくなり体力を消耗してしまうことも原因となります。体力の低下という観点から見ると、慢性的な睡眠不足も大きく影響します。

夏場は冷たい物を多く摂取する機会が多くなりますが、冷たい物を多く取り過ぎると胃腸の機能が低下して食欲低下を引き起こす原因にもなります。

夏バテのチェックリスト

下記の項目に当てはまるほど夏バテの可能性が高くなるチェックリストです。仕事の都合上、どうしても回避できない場合も多いかと思いますが、多く当てはまる方は注意が必要です。

チェックリスト
1)1日の多くを冷房の良くきいた部屋で過ごしている。
2)冷たい飲み物や食べ物をよく摂取している。
3)甘いものを好んで食べている。
4)すぐに疲れてしまう。
5)夜更かしを頻繁にしている。
6)湯船には入らずシャワーで済ませている。
7)食事は外食が多い。
8)1日3食摂らないことが多い。

 

食事や睡眠、入浴などは体の疲労に大きく関係しています。日ごろの生活習慣が影響して夏バテになることが多いので、まずは生活習慣の見直しが必要です。生活習慣の見直しを考える前に、まずは夏バテの症状について考えてみましょう。

夏バテの症状

夏バテの症状には様々なものがあります。夏バテは自律神経の乱れによって引き起こされる症状であるため、その内容は人によって様々です。

≪代表的な症状≫

・めまい
・吐き気
・頭痛
・食欲不振
・全身の倦怠感
・やる気がでない
・便秘、下痢

上記以外にも夏バテの症状はありますが、いずれにしても軽度の症状から重度の症状へ移行させないことが大切です。症状が重い場合は命に関わる危険性もあります。症状を悪化させないためには、自分自身で現在の症状を把握し、適切な対処を取る必要があります。

夏バテ対策

基本的には前述のチェックリストに該当する部分を改善することが夏バテの対策となりますが、具体的な内容としては次の通りです。

◎体の温度差を少なくする

室内外の温度差が5℃以上になると自律神経の乱れが生じやすくなります。冷房の設定温度を28度に設定するなど、出来るだけ外気温との温度差が少なくなるように調節します。また、温度設定の変更が難しい場合には上着やひざ掛けなどを使用して体を冷やし過ぎないような工夫をしましょう。

◎体を内側から温める

まずは体を冷やさないようにする意識を持つことが大切です。冷たい物を多く摂取すると、胃腸が弱るため食欲低下にも繋がります。冷たい食べ物や飲み物は控えめにし、出来れば飲み物は常温か温かくすることが理想です。体を内側から温める方法として、ぬるま湯に入浴することもおすすめです。夏場はシャワーで済ませてしまう方が多いと思いますが、じっくりとぬるま湯に浸かることで体の内側から温めることが出来ます。また、ぬるま湯に入ることは不眠の解消にも繋がります。

◎生活習慣の見直し

不規則な生活は体調不良の原因です。出来るだけ規則正しい生活を心掛ける必要があります。例えば、食事は1日3食しっかり食べて間食は控える。もちろん暴飲暴食は避けるべきです。睡眠時間の確保を心掛ける。出来れば早寝、早起きが理想です。運動不足を解消することも大切で、エレベーターやエスカレーターなどを使用せずに歩く習慣をつけるなど適度な運動を心掛けましょう。

◎食事の内容を考える

1日3食をしっかり摂っていても、その内容が偏っていると栄養のバランスが崩れるため疲労回復にも影響してきます。バランスの取れる食事でおすすめなのは和食です。和食はご飯を主食に一汁三菜を基本とする理想的な食事です。味噌汁は出来るだけ具だくさんにして毎日食べることで、栄養のバランスが取れるだけではなく、体を内側から温める効果もあります。和食は夏バテ対策だけではなく日常の食事として生活習慣の改善にも役立つメニューとなります。また、夏野菜は体の余分な熱を取ってくれる効果もあるので、夏野菜を使ったメニューも積極的に取り入れましょう。

夏場は食欲がどうしても落ちやすくなるので、量より質を重視した食事が大切です。好き嫌いで食事を決めるのではなく、夏バテ対策に有効な食品を出来るだけバランスよく摂取しましょう。

◎睡眠の質を高める

睡眠は疲れた体と脳を休めますが、ただ単に長い睡眠時間を取れば良いというわけではありません。睡眠の質を高めることで、その日の疲れを回復して夏バテの対策にも繋がります。上記で述べた食事や運動、入浴に気を付けることでも睡眠の質を高めることが出来ますが、寝ている間の汗(いわゆる寝汗)を抑えることが重要です。寝ている間に汗をかくということは、せっかくの疲労回復の睡眠で疲労させてしまうことと同じことです。寝ている間にタイマーをかけて切るのではなく、設定温度を高めにして一晩中冷房をつけて寝ることで寝汗を防止することが出来ます。冷房の風が体に直接当たらない様にし、薄めの布団をかけることも忘れずに。

まとめ

夏バテになると免疫力が低下し、夏風邪を引きやすくなります。また、夏バテで体力が消耗すると、普段は感じない体の不調が表面化してくることがありますので、夏バテが長引くような場合には注意が必要です。夏バテ対策である自律神経の乱れを正して、暑い夏を乗り切りましょう。

 


【参考文献】
大森一慧(2008)『からだの自然治癒力をひきだす食事と手当て-新訂版』サンマーク出版.
路京華(2001)『現代病を解決!中国漢方がよくわかる本』河出書房新社.